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中央カラハリ野生動物保護区(CKGR)からのバサルワ族の移転については、これまでに様々なグループが懸念を表明しています。その多くは「ボツワナ政府は、鉱物資源の採掘を行うために、バサルワ族を保護区から追い出そうとしている」と主張するものです。
ここでは、中央カラハリ野生動物保護区(CKGR)からのバサルワ族の移転問題の背景と目的、ならびに移転がどのように実施されたかについてお知らせします。
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カラハリ野生動物保護区(CKGR)は、鳥獣保護宣言に基づき、1961年2月14日に野生動物を保護する目的で設立されました。その後、鳥獣保護宣言は、鳥獣保護・国立公園法(1992年第28号)に改訂されましたが、このなかでもCKGRは動物保護区として保持されています。
時の経過とともに、CKGR内の居住者の多くが、穀物を栽培し、家畜を飼育するなど、定住農業を営むようになっていることが明らかとなりました。こうした土地の利用法、特に家畜飼育は、野生動物を守るために保護区として設けられたCKGRの本来のあり方との矛盾を引き起こしました。
保護区内の土地利用を巡る争いが増えていることを認知し、政府は1985年に事実調査委員会を設置し、CKGR内の実情調査に当たらせました。委員会の調査で、CKGR内のいくつかの地点では実際に急速に定住が進み、農業共同体化していることが確認されました。Xade (old)、 Molapo、Metsiamanong、Gope、Mothomelo およびGugama 地区で特にそれが顕著でした。
調査委員会の勧告に従い、政府は1986年に次のような決定を下しました;
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CKGRの境界と状態は現状のまま維持する。 |
| ・ |
保護区内のXade (old)およびその他の居住地は、経済的に存立できるようになる見込みがないため、その社会・経済開発を凍結する。 |
| ・ |
CKGRの外に、経済的・社会的発展の可能な居住区を定め、保護区内の居住者に対して移転を奨励する。ただし、強制はしない。 |
| ・ |
地方行政・国土省は、政府が保護区内の居住者に移転を促すために講じる優遇措置について助言を与えるものとする。 |
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1985年、ボツワナ政府は、CKGRからの移転を説得するため、保護区内の全居住地の住民との包括的な協議を開始しました。その結果、大多数の人々が移転に同意しました。
1991年から2001年までのCKGR内外の居住地の人口分布は下表に示す通りです。
| 居住地/区域 |
1991年の人口 |
2001年の人口 |
| 合計 |
男性 |
女性 |
合計 |
男性 |
女性 |
| Old Xade (オールドカデ) |
528 |
254 |
274 |
5 |
3 |
2 |
| Manwatse (マンワツェ) |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
| Kikao (キカオ) |
98 |
48 |
50 |
31 |
10 |
21 |
| Mothomelo (モトメロ) |
149 |
60 |
89 |
245 |
118 |
127 |
| Bape (バペ) |
41 |
27 |
14 |
- |
- |
- |
| Metsiamanong (メツィアマノン) |
71 |
30 |
41 |
141 |
83 |
58 |
| Molapo (モラポ) |
61 |
26 |
35 |
152 |
81 |
71 |
| Kaka (カカ) |
3 |
3 |
0 |
- |
- |
- |
| Gope (ホペ) |
43 |
24 |
19 |
63 |
29 |
34 |
| 総計 |
994 |
472 |
522 |
689 |
352 |
337 |
| 保護区外の新しい定住地 |
| New Xade (ニューカデ) |
- |
- |
- |
1094 |
522 |
527 |
| Kaudwane (カウドワネ) |
- |
- |
- |
551 |
267 |
284 |
| 総計 |
- |
- |
- |
1645 |
789 |
811 |
出典:1991年および2001年度「人口・住宅国勢調査報告書」 中央統計局
実際の移転は1997年から実施され、同年中に1,739人がCKGR外の新居住地に移りました。このうち1,239人はG'Kgoisakeni (New Xade) に、500人はKaudwane に移住しました。
2001年度の人口・住宅国勢調査によれば、CKGR内に留まっているのは689人のみであり、政府はCKGR残留居住者に対し、2001年の間に自分で選択した場所へ移るよう、引き続き説得を続けました。このうちの大半は2002年2月から6月の間に、Ghanzi行政区 のG'Kgoisakeni (348人)とKweneng 行政区のKaudwane(179人)に移りました。また、既にG'Kgoisakeni に移住していた17人が、その後Central行政区のXereに移りました。
保護区内に留まっている人数を考慮すると、CKGRにおけるサービスを供給し続けることは経済的にも持続不可能と判断し、政府は2002年1月31日をもってサービスを停止することを決定しました。代わりに、そうしたサービスは現在、CKGR外の新居住区で提供されています。
移転実施期間中のいかなる段階においても、政府ならびに移転業務に携わる政府職員が、保護区内に留まっている居住者に対して実力行使、強制、脅迫等を行ったことはありません。政府は常に説得を通して自発的な移転を促すことを重視してきました。事実、CKGR内の全ての集落(Molapo、Metsimanong、Mothomelo、Gopeおよび Gugama)において保護区外へ移転することに対する居住者の意思は、概して非常に前向きなものでした。
現在までCKGR内に残っているのは、17人のみに過ぎません。(Gugama で7人、Metsiamanngで10人)政府は現在もこれら17人に対し、保護区を出て、他のボツワナ国民の生活水準と同程度の暮らしのできる新居住区への移転するよう、説得を続けています。
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1960年代半ば、CKGR内で鉱物資源の探査が始まりました。1980年には、ファルコンブリッジ・エクスプロレーションズ・ボツワナ社(カナダに本拠を置くファルコンブリッジ社の子会社)が、CKGR内のGope地区で70メートル余りの砂層に覆われた、約11.5ヘクタールの小規模なキンバーライト鉱脈を発見しました。ファルコンブリッジ社は、デビアス社の有する最先端技術を利用すれば、鉱脈の潜在的な商業価値を、より正確に測れると判断しました。そしてファルコンブリッジ・エクスプロレーションズ・ボツワナ社とデビアスは、合弁事業会社、ホペ・エクスプロレーション・カンパニーを設立しました。
少量の鉱石とダイヤモンドのサンプルを分析した結果、その品質価値が比較的低かったため、鉱脈を採掘することは不経済であると評価されました。深い砂層に覆われていること、辺鄙な場所にあること、そして鉱石の価値の低いことが、鉱山開発の可能性を乏しくしていました。
それでもホペ・エクスプロレーション・カンパニーは、鉱脈の大規模なサンプリングを行うために、スモールシャフトを打ち込むなど、さらに鉱脈の採掘の可能性を探る調査を継続しました。
この調査によって確定された、鉱脈の品質・価値評価に基づき、ホペ・エクスプロレーション・カンパニーは1996年から1997年にかけて、採掘が可能かどうかの予備調査に着手し、Gopeのキンバーライト鉱脈は商業的に採算の合う鉱山には開発できないという結論に達しました。Gopeでの採掘は実行不可能であるとの結論を下した後、ホペ・エクスプロレーション・カンパニーは2000年11月に保有ライセンスの申請を行い、これを認められました。このライセンスは3年間有効であり、最長6年まで更新することができるもので、鉱脈を発見したものの、その営利的な採掘は不可能と評価を下した企業に発行される、一種の保有権です。
この保有ライセンスの規定条件では、ライセンスを受けた企業は、毎年その実地調査の見直し報告書を提出し、プロジェクトが依然として非経済的な状態のままであることを示さなければなりません。それが事実と合っており、段階的に高くなるライセンス手数料を支払い続ける限りは、保有ライセンスは総計6年間まで延長が可能です。
Gopeは、これまでにCKGR内で発見されている唯一の鉱脈であり、鉱山として開発するには商業的に採算が取れないと判断されているため、CKGR内では、現在まで、何らかの採掘プロジェクトを推進するという決定が下されたことは一切ありません。
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ボツワナ政府は、国民の一部が他の人々よりも社会的・経済的に劣悪な状況にあり、特別な支援を必要としていることを認識しています。「遠隔地居住者」と定義される、そうした人々を、包括的かつ組織立った方法で支援することが必要です。対象者は概して、社会的サービスやその他の開発設備の整った自治体や村落の外に住んでおり、その中で多数を占めているのがバサルワ族の人々です。
現在、全国には64の遠隔地住民のための居住地があり、総計37,771人が、Central、Ghanzi、Kgatleng、 Kweneng、 Kgalagadi、North Westおよび Southern の7つの行政区に暮らしています。
遠隔地域開発計画は、バサルワ開発計画として1974年に開始され、Kaudwane、Xereおよび G’Kgoisakeni (New Xade)などの住民がその恩恵を受けました。この計画では、バサルワ族の経済的地位の向上に重点が置かれました。
この計画の全体目標は、遠隔地居住者の社会的・文化的・経済的発展を促進し、彼らが政府の提供する開発計画と国の急速な経済成長から同様に恩恵を受けられるようにすることです。
この開発計画では特に次の事項を目標としています。
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遠隔居住地の集中開発に取り組み、国内の他の自治体や村落と同等レベルに引き上げる。 |
| ・ |
製造業を促進して収入を得られるようにし、雇用を創出する。 |
| ・ |
遠隔地居住者の土地およびその他の資源へのアクセスを確保する。 |
| ・ |
遠隔地居住者の自治および、政治や開発組織に参加する彼らの代表者を積極的に選出することを奨励する。 |
| ・ |
遠隔地居住者の経済的に自立した生活への道を開くため、訓練や教育を提供する。 |
| ・ |
遠隔地居住者の独特な文化と伝統を損なうことなく、社会の本流への融合を推進し、その文化・経済の発展を振興する。 |
この開発計画によって政府は、特に学校、給水設備、医療保健施設などの社会的サービスの分野において、遠隔地居住者に対して大規模な開発支援を提供してきました。対象者の経済活動を奨励し、経済的福祉を改善するために、この開発計画には経済振興基金が組み込まれていますが、これは、遠隔地居住者のための持続可能な小規模事業の育成を目指すものです。この基金を通じて、対象者が任意に選択した小規模産業事業やその他の経済活動のために、開設資金や適切な訓練が提供されます。また、必要に応じて、他のプログラムからの援助を得るための頭金も支給されます。
政府は既に、G'Kgoisakeni (New Xade)と Kaudwaneの新居住地で基本的なサービスを提供してきました。十分に整った小学校、医療保健施設、給水設備網、各種施設などが既に整備されています。G'Kgoisakeni (New Xade)では、居住地外に住む学童を受け入れるため、学校に隣接して寄宿舎も建設中です。また、Gantsi 行政区議会は、総工費300万プラ (50万USドル相当)をかけて産科病棟のある診療所の建設を進めています。政府は、バサルワ族の生活向上に欠かせない、こうしたインフラ開発に、これまでに3,458万597プラ(576万3,432USドル相当)を拠出してきました。
政府はまた、G'Kgoisakeni (New Xade)、Xereおよび Kaudwaneの各居住地内で拡張事業に着手しています。さらに、これらの居住地では非旱魃時でも労働集約型公共事業プログラムを効果的に実施するということも決定されました。この開発事業には、KaudwaneおよびXereでの職員住宅、慣習法裁判所および小地方行政管理事務所の建設などが含まれます。G'Kgoisakeni (New Xade)では既にこうした施設が一部完成しています。
さらに各移転者には、住宅地および農地が、土地所有権利証書付きで無償で提供されています。このほか、各世帯は、牛5頭かヤギ15頭のどちらかを選択して支給を受けることができ、政府はこれまでに累計で、G'Kgoisakeni (New Xade)の居住者に1,462頭の牛と765頭のヤギ、Xere居住者に63頭の牛、Kaudwane居住者に1,018頭の牛と408頭のヤギを供与しました。
これまでに幾つかの非政府組織(NGO)が、遠隔地居住者の経済的地位の向上に関わってきました。例えば、Permaculture Trust of Botswana (パーマカルチャー・トラスト・オブ・ボツワナ)は Kwenengと Ghanziの行政区当局と共同で、G'Kgoisakeni (New Xade)とKaudwaneで遠隔地居住者の保護をしたり、園芸、家禽飼育などの指導を行ったりするなど、開発プロジェクトの実施に取り組んでいます。5年間(2002年から2007年)にわたるプロジェクト費用は、Kaudwaneでは243万9,300プラ、G'Kgoisakeni (New Xade)では284万4,600プラに上ります。これらのプロジェクトは2002年7月19日に開始され、現在までに90人を支援しました。プロジェクト終了時までに、Kaudwaneで180人、G'Kgoisakeni (New Xade)で320人が支援を受けるものと見込まれています。
また、政府の各種支援策を通し、多数のバサルワ族が、所得を得ることのできるプロジェクトに参加し、政府の配給に頼るのではなく、自立して生計を立て、それを持続していけるようになったことは注目に値します。バサルワ族は、このほか、貧困救済プログラムや老齢年金制度などの政策からも恩恵を受けています。
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要約すると、次のとおりです。
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バサルワ族は、中央カラハリ野生動物保護区 (CKGR) からの移転を強制されたことはない。 |
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CKGR 内で唯一の発見されている、 Gope 鉱脈は、鉱山として開発するには採算が合わないことから、 CKGR 内では鉱物の採掘は全く行われておらず、また将来の採掘計画も一切存在しない。 |
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政府の意図は、バサルワ族の生活水準を一般のボツワナ国民のそれと同等に引き上げることである。また、動物保護区内で定住して穀物を栽培したり、家畜を飼育したりすることは、 CKGR の動物保護区としての本来のあり方との矛盾し、そうした土地利用を巡る対立を避けることにある。 |
世界には、政府が数多くの恐ろしい犯罪を冒しているとして非難の矢面に立たされている国が少なくない中、ボツワナ政府は、その国民の生活を向上させることの正当性を訴えなければならないとは、おかしくはありませんか。ボツワナ政府は誠実に意思表明をし、真実を述べてきましたが、事実を確認・検証したいと望まれる方は、ボツワナのどの地方でも自由に訪れて、国民の誰とでも話をしてみてください。
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