
1996年、ボツワナの独立30周年を記念して、当時のケトゥミレ・マシレ大統領は「ボツワナの長期展望の枠組み」を打ち出しました。ボツワナ各地において協議会(Therisanyo)を広く行った後、それは「ボツワナの政府は国家の長期的展望(ビジョン2016)- 全ての人に繁栄を」という公式文書となり、発表されました。
「ビジョン2016」は、「独立50年を迎える2016年、ボツワナがどんな国家になっていることを我々は望むのか?」という問いに対する、ボツワナ国民の答えであり、国家全体の抱負なのです。
「ビジョン2016」は、2016年までにボツワナが次のような国家になると示しています。
質の高い教育制度を確立することにより、国内外のニーズの変化に的確に対応します。
ボツワナは情報化時代に入り、2016年までには、国際社会において確固たる地位を築いているでしょう。
ボツワナは、勤勉さと規律正しさにおいて卓越した存在となり、努力の報われる、また、必要なスキルが提供されうる社会になっているでしょう。
ボツワナは、活気に満ちた力強い経済によって21世紀に必要な競争力をつけ、企業や投資家にとって魅力ある国になります。持続的に資源を活用し、国家の資産を公平に国民に分配していきます。また、国民一人あたりの所得は3倍に伸びているでしょう。
より公正に利益の分配がなされ、その結果、ますます多くの人が、ボツワナの経済的な成功を享受することでしょう。社会は貧困を撲滅するために、貧しい人々を援助してゆきます。生まれ、性別、障害、災難などに関わらず、全ての人が等しく機会に恵まれる社会になるでしょう。
また、誰もが質の高い医療を受けられるようになります。遠くまで出かけなくても、身近な医療機関での病気の予防・治療が、低額で可能になります。障害者や高齢者、女性の更年期障害にも対応できる施設が整い、きめ細かなサービスが受けられます。
2016年までにはHIV・エイズの感染拡大が食い止められるでしょう。感染者は医療機関で、高度な治療を受けることができ、地域社会や職場でも、きちんとした待遇で受け入れられるので、充実した生活を送ることができます。
重い犯罪や武器の違法所持、麻薬の使用などは一掃されるでしょう。ホワイトカラーの犯罪増加が止まり、投資や企業進出をするのに安全な環境が整います。法律の運用を強化し、公共の利益を守る機関の権限を拡大して、より信頼ある国家となります。
ボツワナにおける基本的人権は、国内外の闘争・挑発行為によって脅かされることはありません。治安を守る機関の機能を強め、安全と安定を確保します。
ボツワナは、その民主的な発展の歴史によって培われてきた、地域に根ざした地方分権型の民主主義を守ります。改革のプロセスに全ての政党を参加させて、恒久的な民主主義を維持します。2016年のボツワナは、大統領から地域のリーダーまで、国民一人ひとりが、その行動と決断に責任を持つ国になっているはずです。
道徳的で公正な、見識ある社会を作るには、それにふさわしい、若い世代を導きながら民主主義の遂行の指南役となれるリーダーシップが不可欠です。部族の指導者たちは、ボツワナの文化と伝統の管理者として、民主主義の中で重要な役割を負い続けていきます。それによって、長く続いてきた「コトラ」(Kgotla) のシステムが世代から世代へと受け継がれていくでしょう。
個々の人々の徳性は、社会が変化に適応していく力を高めます。ボツワナは、法律を遵守し、宗教的・精神的な価値観を重んじ、徳ある人々の国となります。
ボツワナでは、性別、年齢、宗教、信条、人種、出身、所在、言語、政治的見解などによって不利益を蒙ることはありません。ボツワナは女性、若者、高齢者、障害者の地位と役割に対する障害も排除してゆきます。また、いかなるセクシュアル・ハラスメントも許しません。
伝統の継承と安定への熱意をもとに、国民が共通の目標を持ち、2016年までにボツワナは、誇りを持ち、結束力のある国になっているでしょう。文化、言語、伝統の多様性は民族間の融和を更に深めるでしょう。
家族という単位が、社会を支え、発展させていく中核になっており、責任ある子育てと結婚制度を推奨します。家族の強いまとまりが、社会問題の解決に寄与します。
政府は、重要課題を優先に必要な予算を組み、「ビジョン2016 - ボツワナの長期展望」の実現のために全力を尽くします。
例えば、2002年度の予算では28%が教育分野に当てられており、国民一人当たりに換算すると、世界で、教育に対して最も高い支出をしている国となっています。ボツワナはこれからも「ビジョン2016」の精神に忠実でありつづけます。